いつものポイントへ朝マズメの青物狙いでショアジギングに行ってきました。
陸からの方は残念ながらあまり釣果が聞かれませんが、沖の船釣りではこのところ好調が続いてるようなのでベイトは湧いているのではないか?という希望的観測寄りの予想から、この日はシーバスのルアーボックスの中からフローティングのペンシルを1本抜いてメタルジグボックスに追加してから入釣。
潮回りは中潮の上げ。空にはまだ月がある時間からキャスト開始。陽は登らず暗い時間なので青物は望めなくてもマダイ、タチウオ、ヒラスズキあたりが喰ってくれば・・・とキャストしますがしばらく魚からのコンタクトはありませんでした。
そのうち空が白み始めジグの着水位置も視認できるようになってきた頃にボトム付近でメタルジグにヒット。引きも生命感も弱いが寄せようとリールを巻くと水押しの抵抗感だけは異様に強い。(これは謎の魚だ・・・)そんな事を考えながら重いながらもなんとか寄せてくると・・・
なんとチャリコ(マダイ若魚)のスレ掛かり。手のひらを少し越えるくらいのサイズでしたが体側にメタルジグのテールフックがフッキングしているので強く引けば形状的に最大限の抵抗感が発生するという刺さり具合。申し訳ない事に側線を傷つけてしまっていましたが魚自身は元気そうだったので美しくかわいい真鯛は海へリリース。
完全に日が昇り、足元をベイトの群れが行き交う様子も確認できるようになりました。そのうちキャスト範囲に突発的にナブラが発生。規模は小さいものの頑張れば届きそう。シーバスルアーボックスから抜いてきていた11cmのフローティングペンシルをフルキャストしてなんとかナブラの向こう側へ。ジャークやダイビングアクションというほどまではアクションさせない、トゥイッチによるドッグウォークで引き波と食わせの間を演出する意識で引いてくるとボイルしていた位置でペンシルにヒット。
わりと重量はあれど強烈な引きというほどではなくゴリ巻きで表層を寄せることが出来たのはハマチ(ブリ若魚)。ベイトの群れが確認できるようになったのでちょうどフローティングペンシルに付け替えていたのも良いタイミングでした。このとき釣り場に居たお若いアングラーの方がそこそこサイズと見てご自分の釣りを中断して取り込みを手伝いに来て下さいました。どうもありがとうございました。
その後もフローティングペンシルを沖にキャストしてからのドッグウォークでルアーの背後に水柱。しかしこれは惜しくもフッキングせず。
※ソルトペンシルのHDは溶接貫通ワイヤー&強化肉厚リブボディの高剛性な青物対応版
さらに沖からのドッグウォークで引いてきたルアーの背後になかなか大きな魚影がピッタリ付いてくる・・・少なくとも50cm以上はありそうな、暗い縞が目立つGT体型の魚。喰いそうな雰囲気で追って来るも足元まで来て無念の反転。
気になって帰宅して調べた中ではクロヒラアジが一番似ている。最大70cmで過去には高知でも釣った人がいるようなのでクロヒラアジだったのではないだろうか?
(引用元:WEB魚図鑑 クロヒラアジ あららさん)
あの引きそうな体型、是非釣ってみたかった・・・。
そんな間も表層にはかなりのベイトが群れており、その後もナブラが散発的に確認できるものの私も周りのアングラーもヒットさせるには至らず。陽が高くなるにつれナブラは徐々に減ってゆき、ついになくなってしまう。
そこでメタルジグに再び交換し、沖の水深のあるポイントへフルキャスト。ボトムまでジグを沈めワンピッチジャークを繰り返していると何投目かの数シャクリ目、ボトム付近でロッドの先に重量感が。私の少ない経験数ではあるが今のところどのヒットでもガツンと明確ではなく、ヌッ・・・とした突然の重量感「・・・ネイリだ!」重みが乗った瞬間そう理解した。
ネイリ(カンパチ)の突っ込みを防ぐなら沖で走らせればいい、そうした意見を耳にしたことはあったがなかなか実際には思うようにいかないものである。シーバスとは質の違う青物特有の重量感を感じながら走らせつつも寄せてきてそろそろ姿も見えようかという距離になった瞬間、急にスイッチが入ったかのように、今までのそれはまるで遊びだったかのように異質で強烈な突っ込みを始めるネイリ。横への「走り」ではなく、底へ向かっての「突っ込み」であることがアングラーにこれ以上ない焦りを感じさせる。寄せてきた足元の周囲には根が無数にあり、針掛かりしたネイリはそこへ向かって一直線に突っ込んでいく。
その時のロッドの曲がりは逆Uの字。なんの誇張もなくこの形まで曲げ込まれて真下へ突っ込んでいくネイリ。今回は「ロッドが折られるのが先か・・・」と途中で魚を掛けている側に観念にも似た弱気が出るほど強烈でした。腕力にものを言わせれば岸から釣れる大抵の魚のサイズなら・・・と安易に考えていましたがロッドのパワー不足も大きな理由ですが、しなるロッドの向こうとこっちで大人同士が本気の引っ張り合いをしているような、いつ終わるともわからない粘っこい綱引きのような感覚。
さっき取り込みを手伝ってくれた方のさらにお連れのアングラーさんが「デカイですか!?」と心配してそばに来て声をかけてくれましたが「・・・はい、たぶん・・・」と答えるのが精いっぱい。歯を食いしばりながら浮かせるのに必死でした。少し浮かせても何度も海底まで突っ込もうと試みるネイリ。力任せに浮かせさえすれば、と考えていましたが、まず浮かすことが容易ではないし、浮いたように見えても諦める様子もなくまったく油断ならない。
結局保持するのがやっとでそのアングラーさんが私のタモを使って取り込みを手伝って下さいました。どうもありがとうございました。いやもう疲労困憊の一言。
以前リーダーラインをブレイクさせられたのはこのクラスのネイリだったんでしょうね。今回ロッドの限界に達していた気がします。正直折れるのが先だと思いながらファイトしていました。やはりこの釣り場で青物狙いを続けるなら専用ロッドのHパワークラスを用意しないといけない。シーバス流用やライトショアジギングの範疇だと後悔しそうです。魚自体はまだまだ上があるレベルですがこの個体は胴周りの太さが尋常ではありませんでした。リーダーラインもかなり削れておりもう少し粘られたら危なかったです。今回は魚を寄せられた方向と、取り込みを助けてくれる方がいたことでなんとか獲れたのだと思います。運が良かった。
余程のことがない限り他人には頼らず、魚とのファイトは基本的に取り込みまで自分でやってこその狩猟行為というのが海辺の狩人の釣りだと常日頃から考えていますが、病気で体の感覚にズレがあり傍目に危なっかしい取り込みになるのもまた事実。こだわりは大切ですが、こういうところで意固地になるのは人間的なスマートさに欠ける気もします。今回の釣果はお若いアングラーさんの善意に助けていただいた結果です。本当にありがとうございました。
※追記:「ハマチ」は関東で養殖魚を指して使われることが多い呼称、南四国だと「メジロ」です。
前回の釣行前に2号200m巻き替え、今回が2度目の釣行でしたがノントラブルで快適でした。
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